小学生からメイクする時代! 美容皮膚科医が教える「子どものスキンケアとメイクの注意点」

「小学生でもスキンケアって必要?」「メイクはどこまでOK?」美容の低年齢化が進むいま、そんな疑問を持つ親御さんは少なくありません。SNSや動画の影響もあり、子どもたちの美容への興味は年々高まっています。しかし、その一方で、子どもの肌は大人とは性質が異なる部分が多いもの。そこで今回は美容皮膚科の第一人者、医師の船坂陽子先生に、子どものスキンケアやメイクについて教えてもらいました。


▼子どもの肌と大人の肌の違いは?

船坂)まず知っておきたいのは、子どもの肌は大人よりもずっとデリケートだということです。肌の表面にある「角層」はバリア機能の役割を担っていますが、子どもは大人に比べてこの機能が十分でない場合があります。そのため、乾燥しやすく、外からの刺激にも弱く、ちょっとしたことで炎症やかぶれを起こしやすい状態にあります。つまり、大人と同じようなスキンケアをそのまま取り入れてしまうと、良かれと思ってやったことが、逆に負担になってしまう可能性があるのです。

▼子どもにとって必要なスキンケアとは?

船坂)答えはとてもシンプルで、「保湿」です。子どもの肌は皮脂の分泌が少なく、基本的に乾燥しやすい状態にあるため、まずはしっかりとうるおいを守ることが大切です。低刺激の保湿剤で肌を整える。基本的なケアとしてはそれで十分な場合が多いです。一方で、大人が行うような美容液やパック、美白ケアなどは、子どもの肌にとってはオーバースペック。効果を実感する以前に、成分による刺激のリスクの方が上回ってしまう可能性もあるため、基本的には必要ありません。

▼小学生からメイクする時代!注意点は?

船坂)最近は小学生でもメイクを楽しむ子が増えていますが、軽いメイクであれば、比較的トラブルが起こりにくいと考えられますので、特別な日のおしゃれとして楽しむのは問題ありません。一方で注意したいのは、しっかりとしたクレンジングが必要になるようなメイク。リキッドファンデーションやマスカラ、濃いアイメイクなどは、落とす際に肌への負担が大きくなりやすく、特に皮膚の薄い目元ではトラブルの原因にもなります。メイクそのものよりも、「落とす工程」が肌に与える影響を意識することが大切です。

▼トレンドの中にもリスクがある?ココに注意!

船坂)子どもの美容で注意したい習慣もいくつかあります。たとえば、香料の強いコスメ。これは皮膚炎の原因になることがあり、特に敏感な子どもの肌には不向きです。また、大人向けのコスメをそのまま使うのも注意が必要です。高機能である分、有効成分の濃度や作用が大人向けに設計されているため、子どもの100円ショップなどで販売されている子ども向け製品の中には化粧品ではなく雑貨扱いのものもあるため、成分表示や安全性の観点から慎重に選ぶ必要があります。ネイル、除光液も同様に、爪や周囲の皮膚の負担になる場合があるため、日常的な使用はあまりおすすめできません。さらに、顔に貼るシールや装飾も、はがす際に角層を傷つけてしまい、炎症の原因になる可能性があります。子どもたちが「かわいい」「やってみたい」と思う気持ちは、とても自然で大切なものです。だからこそ、すべてを禁止するのではなく、楽しみながらも守る視点を持つことが重要になります。頻度をコントロールし、低刺激なものを選び、少しでも違和感があればすぐにやめる。その積み重ねが、将来の肌トラブルを防ぐことにつながります。

▼今回お話を伺ったのは…

【船坂陽子先生】

池袋西口病院院長・美容皮膚科部長/日本医科大学・名誉教授/日本皮膚科学会認定美容皮膚科・レーザー指導専門医
1984年神戸大学医学部卒業、医学博士。米国エール大学、シンシナティ大学留学。2024年4月より日本医科大学名誉教授。医療法人社団ENEXT 池袋西口病院 美容皮膚科部長を務める。専門は色素細胞の生物学、美容皮膚科学、光生物学で、国際色素細胞学会理事、日本光医学光生物学会理事、日本美容皮膚科学会名誉会員、日本レーザー医学会理事などに着任している。

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